直しても繰り返される雨漏り。原因を特定するには?

直しても繰り返される雨漏り。原因を特定するには?

2024年5月15日
2024年9月17日

雨が続く頃になると、弊社に雨漏りでお困りのお客様がお見えになることがあります。
弊社で調査したところ、それぞれ原因は違っていますが、雨漏りがあって大変困っている点では皆様同じで、中には非常に深刻な症状のお家もあります。

雨漏りで重要なのが原因の特定です。

原因がわからなければ、なんど修理してもまた雨漏りが再発してしまい、莫大な費用がかかってしまいます。
また雨漏りを放置すると、木材が腐ったり、カビやシロアリが発生して、大切な資産に大きなダメージを与えるだけでなく、健康被害などの二次災害を引き起こしてしまいます。

雨漏りを発見したら、家の寿命を伸ばすために早急な対応が必要となります。

雨漏りは屋根だけが原因じゃない

雨漏りと聞くと、屋根を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は屋根だけではありません。むしろ屋根が原因でないケースが多くなっています。
外壁や窓のサッシ、壁を貫通する給排水管の隙間からの侵入することも少なくありません。

雨漏りの原因は主に下記のようなものがあり、欠損箇所が分かりにくい場所の順番でご説明します。

サッシの隙間から

サッシから雨水侵入は、サッシ周りのコーキングの劣化によるものが多いですが、窓枠付近の外壁の亀裂などが原因の場合もあります。

窓枠がはめ込まれている部分は、その四つ角の外壁が弱い傾向にあり、亀裂が生じやすく隙間を作り出すため、そこから雨水が入り込んで雨漏りとなります。

外壁のひび割れやコーキングの劣化

紫外線や雨風の影響をうけダメージが起きやすい場所で、原因がサッシからなのか外壁からなのかが分かりにくい場所です。

外壁が劣化し、釘が打ってある場所などからひび割れが生じ、そこから水が侵入し雨漏りが発生する場合があります。

また、外壁のコーキングの劣化が進むと、割れやハガレが生じ、そこから雨水が侵入します。
こ―コングの寿命は、環境にもよりますが概ね10年前後と言われています。

屋根の劣化・破損部分から

紫外線や雨風に常にさらされる場所であり、雨漏りの原因になりやすい場所です。屋根と一口にいっても、原因が様々あります。

屋根と一口にいっても、原因はさまざまで

  • 屋根本体の経年劣化
  • 板金の破損・浮き
  • 瓦のズレ・破損
  • 漆喰の劣化

などがあります。

また、屋根が原因の雨漏りの場合は足場を組む必要があるため大掛かりな工事になり、高額になることが多いです。

壁を貫通する配管孔から

意外に多いのが、外壁を貫通する配管孔からの雨漏りです。
サッシ周りも同様ですが、防水シートの断っているサッシ周りや貫通部分は雨漏りを引き起こす原因箇所として多くなっています。

電気配線、ガス配管、給湯配管、エアコン配管等、家には配管があります。それらの壁を貫通した配管の周辺にコーキングやエアコンパテ等で処理してありますが、その周辺が劣化して雨水が侵入した際に、壁内の防水処理が適切に行われていないと、雨漏りを引き起こしてしまいます。

エアコンパテ(ねんど)は防水性は無いので、この処理だけでは不適切です。

施工不良

家を建てたばかりなのに雨漏りがする・・・
という場合は、自然災害を除けば、そのほとんどは施工不良によるものが考えられる要因です。

知識不足、手抜き工事による欠陥住宅での雨漏りは、決して珍しくないのが現状で、熟練の職人さん不足などが一因と考えられます。

新築住宅の場合、瑕疵担保10年間保証するよう義務付けられておりますので、雨漏りを発見した場合、早急に建てられた施工会社や不動産会社に連絡をして対応を依頼してください。

主な雨漏り場所をあげましたが、これ以外にも雨漏りの原因があります。

雨漏りでは侵入箇所と内部で染み出してきている箇所が離れている場合も多く、専門知識があってもなお、原因を特定するのはとても難しいのです。

だからこそ、経験豊富で雨漏りに関する知識のある業者に、雨漏りの調査にて原因を特定してもらうことが一番重要なことなのです。

雨漏りの調査方法

特定するのが難しい雨漏りの原因ですが、業者は雨漏りの原因を把握するため、まず目に見える場所を調査し、その後、分かりにくくより詳しい調査が必要なものというような流れで実施することが多いです。

散水による雨漏り調査

散水による雨漏り調査では目視の調査後、水漏れ部位の侵入口と推定される部位に雨天時あるいは豪雨時と同じ状況を想定した散水をし、雨漏りの原因を調査します。

外観からの調査で、水をかける箇所や順番など、建物の構造を熟知した知識と経験などが必要となります。

サーモグラフィー(赤外線カメラ)を使った雨漏り調査

目視や散水調査だけでは、原因調査に限界があります。
そこで使用するのが、赤外線カメラ(サーモグラフィー)による調査です。

屋根や外壁は、太陽の光や気温の変動等の気象変化を受けて表面に熱が生じます。光が当たらない夜や影があれば熱も変わり、温度も下がります。

この性質から、同じ材質・気象条件で雨漏りで滞水している箇所があれば、壁の温度が下がっているので、温度分布の色の違いで雨漏り箇所をより確実に確認することができます。
※赤外線調査は木造住宅よりも鉄筋コンクリート造の住宅に効果的です。

目視での見え方

赤外線カメラでの見え方

目視では分からない雨漏り箇所の温度を可視化することにより、赤外線調査で発見することができます。

しかし、その原因は何か?を探るためには、散水調査同様、建物の構造を熟知した者が、今までの経験を駆使した上で調査するからこそ原因が特定できるのです。

場所によっては雨漏りの原因箇所が特定しにくいところも

雨漏りの主な原因箇所として5つの項目を紹介しました。

またそれら原因箇所の特定は、散水調査や赤外線調査を行うことで、今出ている症状から雨漏りの原因を絞り込み特定するということをお伝えしましたが、実はそういった調査を行っても完全に雨漏りを止めるための原因箇所の特定が難しいというケースもあります。

というのも実際の雨漏りの原因は、どこか1箇所というよりも、いくつかの要素が複合的に影響している場合が多くあるからです。こういった場合、赤外線調査でも容易に特定することはできませんので、最終的には、建物構造に対する知識、更には現場で培われた経験や勘が重要になります。

雨漏り原因箇所が特定しにくい場所

ちなみに、雨漏りの原因箇所の特定が難しい場所としては、難しい順に

  • 1階天井
  • 外壁・サッシ廻り
  • 2階天井

となります。

特に、1階天井での雨漏りは特定がむずかしいケースも

特に、1階の天井が雨漏りしているというケースなどでは、1箇所というよりは複数の原因が存在しているケースが多く見受けられますので、より正確で念入りな調査が必要となる場合もあります。

1階天井から雨漏りなんていうと「屋根がないのにどうしてだろう?」と思われるかもしれませんが、その原因は屋根でなく、2階のサッシ周りや外壁周りの劣化が原因となっていたり、ベランダ部分が原因となっているケース、それらが複合しているケースなどもあります。

こういったケースの場合、「なんども雨漏りの修理をしたのだけれど止まっていない」とか「修理したのに他の場所からも雨漏りしている」という事例は決して少なくありません。

実際に弊社にご相談にこられて雨漏りの修理させていただいたお客様も、これまでに何度も雨漏りの修理をしたにも関わらず、なかなか改善されないと悩まれていたのですが、現調させていただいた結果、過去の修理業者がまったく見当違いの上辺の修理をしていただけというケースだったということです。

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実は、雨漏りが原因でない場合もあります

また、室内に水が漏れてくるのは雨漏りが原因かと思っていたら、実は壁内の結露や漏水というケースもあります。こういった場合、建物の構造を理解していない業者では原因がわからない場合もあるので注意が必要です。

どちらにしても原因が特定できずに長い時間放置してしまうと、建物内部の木部が腐ってしまい、より高額な修理代が必要になってしまうことも想定されますので、やはり依頼できる業者に相談をして、できるだけ早めの対応していくことが望ましいところです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
雨漏りの原因・調査方法についてご紹介いたしました。
雨漏りは、軽度のものから深刻な状態のものまで様々です。
どちらにしても原因がわからなければ、修理しても雨漏りが再発してしまい、家にダメージを与えるだけでなく、ご家族の健康被害まで引き起こしてしまいます。

雨漏りの原因調査や修理をする際は、専門知識や経験が豊富な信頼のできる業者に依頼することが、早く雨漏りを直す近道なのです。

雨漏りは、皆様も生活にも直結する事態であり、大切な資産を守るためにも、きちんとした調査・修理対応ができる業者選びをしましょう。

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